ヴェラ・ブランシュ展「重力(Gravity)」
2026.04.02
ヴェラ・ブランシュ展「重力(Gravity)」
2026年4月11日(土)~4月19日(日) 11:00~19:00
会場: 砂箱(ミカン下北 E街区2階)
入場料: 無料
レセプションパーティ: 4月11日(木)16:00-18:00 開催予定(関係者・プレス等の招待者向け)
協力:協力:ロバート キャンベル / アトリエ方丈庵 轡田理絵(くつわだ りえ)
ヴェラ・ブランシュによる展覧会「重力(Gravity)」は、世界を「引き合う場」として再考する試みである。本展における重力とは、物理的な現象にとどまらず、形態や状態、身体、さらには歴史的プロセスのあいだに働く関係性の力を指す。それは、現代世界をかたちづくるグローバルな変化を読み解くためのメタファーとして立ち現れる。
今日、国家や文化、政治的力、そして個々の人生といった多様なシステムは、あたかも天体のように同一の空間のなかで運動している。それぞれの軌道は接近し、交差し、ときに衝突する。その交差の瞬間には緊張や摩擦が生じ、変化を促すエネルギーが発生する。
こうした力のせめぎ合いのなかで、新たな現実が生成される一方、既存の構造や秩序は解体されていく。複数の歴史的軌道が収束する現在、世界はまさに「時間の交差点」に位置している。
本展覧会は、「State(状態)」と題されたグラフィック作品、「Sphere(球体)」と題された陶芸彫刻、そして「Dynamics(ダイナミクス)」と題された写真作品という、3つのシリーズで構成されている。これらは、ひとつのプロセスにおける三つの側面――すなわち、形態・内的状態・運動――を示している。
陶芸シリーズ「Sphere」は、均衡という原初的なかたちを参照している。それぞれの球体は個として存在しながら、同時に関係性の体系の一部でもある。展示空間において球体同士は、互いにすれ違い、近づき、また離れていくかのように見え、目に見えない引力の場を生み出す。この想像上の運動の中で摩擦が生じ、そこにはエネルギーが発生する緊張の領域が立ち現れる。この相互作用は、国家・社会・個人のあいだの関係性の比喩でもあり、あらゆる出会いが共有される空間を変容させる可能性を持っていることを示している。
グラフィックシリーズ「State」は、視点を内面へと向ける。ここでの線は対象を描写するものではなく、ある状態――集中や緊張、あるいは均衡の瞬間――を記録するものである。これらの作品は、運動がまだ行為として現れてはいないが、すでに潜在的に存在している内的プロセスの地図のようにも見える。
写真シリーズ「Dynamics」は、時間と運動の次元を導入する。カメラは、変化がまさに現れ始めようとする瞬間を捉える――光のあり方、身体の位置関係、空間の構造を通して。ここでのダイナミクスとは、過去と、なお生成しつつあるものとのあいだにある移行の感覚として立ち現れる。
これら三つのシリーズは、形態・状態・運動という多次元的な構造を形づくる。それは、政治・文化・個人といった異なる軌道がますます交差し合う現代世界の複雑さを映し出している。引力や摩擦、交差が生じるこれらの点において、時間のエネルギーが生成され、それが未来の方向性を形づくる力となるのである。
Organizer/ 主催
Vera Blanshウクライナ出身の写真家、Vera Blansh。
ニューヨークやロンドンでファッションフォトグラファーとして活躍してきたが、ロシア軍侵攻を機に戦場の記録へと転向。キーウを皮切りに、リヴィウ、イルピン、ボロディアンカ、ホストメリ、ドンバス、クラマトルスク、バフムトなど各地で撮影を行い、戦争の現実を写し続けている。
https://www.instagram.com/vera_blansh/?hl=ja